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【Jアニメホラーの怪作】ネタバレと私なりのオチ考察 アラーニェの虫籠【私は好きです!】【坂本サク】

アマゾンプライムで Jアニメの怪作アラーニェの虫籠が無料で見られる!

キービジュアルでピンときて、レビューを見ると卒業制作とか散々に書かれておりましたが、自分の感を信じて見てみたところ、

すごく面白かった!

長野まゆみの「夏至南風」とかディープな古典文学とか好きな人は、

すごく良いのじゃないのかなぁ

タイトルの語感とか、イラストのテイストが気になった方は見ることをおすすめします。

耽美で美しい映像美で、ストーリーもどういうことだったのか、何回もみてじっくり考察したくなる映画です。

 

ぜひ一度、何もわからない状態で見てから、下記の私の考察を読んでみてください!

独特の画風で、アニメなのか、実写なのか独自の世界観でめちゃくちゃ美しいです。

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結局どう言う話だったの?(以下ネタバレ含む、私なりの解釈)

映画の舞台の世界では、

この世には心霊虫というものがいて、それが見えたり、体から虫が出て言ってしまうと、人は死んでしまうという伝承があります。また、途中で出てくる民俗学者も、虫を見たものは死んでしまうと話していましたね。

 

主人公のりんは、幽霊マンションに住み始めてから日常が狂っていきます。

不気味な虫に襲われて逃げ惑ったり、その虫の謎を辿って主人公は右往左往します。

 

これは夢なのか、現実なのか。

 

ストーリーの中盤で

戦時中の人体実験で、心霊虫は生まれたといった記録を主人公は発見してしまいます。

 

そして、出会う三人の男たち

蟲師民俗学者、狩人、

それぞれ、結構サクッと死んでしまうのですが。。。。

くりかえし現れる、不気味な乳母車の母親

 

最後のベットで目覚めるシーンも?アマゾンレビューでは結局夢オチかよ

と散々な書かれようですが、これはちがうと公式HPでも監督が否定されていますね。

 

(以下私の解釈です)

劇中の途中から出てくる黒髪のりん。そして、主人公?と思われる白髪のりん。

ふたりの少女の交錯がキーポイントだと思いました。

 

おそらく、幽霊マンションは黒髪のりんの心の闇やトラウマが閉じ込められている

記憶の大きな虫籠です。あるいは現実世界から、虫たちが蠢く死の世界つながる、生と死の間の場所なのでしょう。

 

蟲師も【自分の心がしっかりしていれば大丈夫だ】といった意味深なことを、主人公に言っていました。

 

つまり、虫というのは心が不安定になったり憎悪に支配されたときは悪さをしたり、人が人でなく虫になってしまい暴走したりしますが

人の精神が安定していれば(黒髪りんのトラウマの克服)益虫にもなる存在なのではないでしょうか?

 

最後の乳母車の女=深層世界での虐待母親の象徴を打ち倒す、光り輝く羽の蝶々のような強い力となって

虫は主人公をまもってくれるものでもある。

 

自分を憎めば憎しみの虫に、自分のトラウマを受け入れることができれば

強い力で、敵をを打ち破れる益虫となる。

 

要するに、主人公が白髪のりん

と見るものに錯覚させる描写になっていますが

物語の始めの世界は黒髪りんが、幽霊マンションに入居したことにより不安定になり、虫の支配する精神世界、異界、臨死体験の世界を彷徨っている状態です。

 

そのなかを、白髪の姿をしていますが黒髪のりんが「幽霊として?」「黒髪のりんの夢の中の憧れの自分の姿として?」とじこめられてさまよっています。りんは、どちらのりんでもあると思います。

マンションに迷い込むまえのりんも、黒髪のりんが、白髮のりんに憧れていたがために、ファッションや言動を真似ていたと思われます。自分のことが黒髪りんは嫌いですしね。

 

過去の記憶の白髮のりんと黒髪のりんの

子供時代の喧嘩のシーンで、黒髪のりんの首に怪我を負う描写がありますが、

彷徨っている悪夢の中のシャワーシーンで白髮のりんの首に傷があります。

なので、冒頭のりんは姿は白髮のりんですが、黒髪のりんではないでしょうか?

 

繰り返し自分のことが嫌いだというりん。

だから白髮のりんの姿なのではないでしょうか?マンションに入る前の現実でも白髮のりんの姿を無意識にまねています。

臨死世界=幽霊マンションでも、白髪の姿。

 

悪夢の世界の中で、りんはの心は、記憶をとりもどすなど、変容していきます。

 

そして、虫は戦時中に開発された兵器であることや、虫を生み出している乳母車の母親を打倒したり、

友人が虫になってしまうことで過去のトラウマ=黒髪りんが、白髪りんを、つきとばして植物状態にしてしまうような大怪我をおわせてしまった記憶が蘇ったり。

蘇った過去の記憶の中で黒髪りんは

白髮のりんを、つきとばした原因は母親の虐待でこころが憎悪に満ちていたから、同じ名前で幸せそうなりんがうらやましかったから。。

些細なことで友達を植物状態にしてしまった黒髪のりん。

 

乳母車の女を倒したあとに、白神りんと黒髪りんは分離します。

ふたりとも奈落に落ちますが、

そこで、あなたと出会えてよかった、仲良くしたかった・・・

といったようなことを

二人の邂逅で伝えることができたのでしょう。

そして、黒髪のりんは白髮のりんをかばって、本来の黒髪の姿に戻り奈落に落ちてゆきます。自分が身代わりになって白髮のりんを生かした。はたまた、異界に繋がってしまったりんは元々死の運命の中にあり、黒髪りんの心のなかに閉じ込められていた白髮のりんを助けたのか?

 

そして、長い年月植物状態で臨死状態だった白髮のりんの目が覚める・・・・

=目を覚ましたのは白髮のりんです

悪夢から目覚めることができました

 

窓の外をみると、黒い虫がとびまわる、暗澹とした世界。

そう、日本軍の生み出した虫の話は本当だったのです。

りんが眠っている間に、幼少時は平和な世界でしたが

臨死状態からめざめると

虫に支配された世界になっていました。

それは、白髮のりん以外の人間が、人が人でなくなり、心の闇やトラウマに飲まれてしまったことをあらわしています。

(ここはまた一考で、白髮のりんが目覚めた世界が虫の世界であるならば、白髮のりんも、なにか心の闇があるのかもしれません。精神世界的な異界の虫の世界に繋がってしまうのは、全ての人間の体の中には虫がいるので可能性があるのですが、実際繋がってしまうのは心の闇がある人間です。それか人が人でなくなるような不安定な心の時。)

 

といった、解釈です。

とりあえず昨日見た自分なりの考察なので、また追記します。

あと、もう一つ別のパターンでの考察もしてみたのでそれも後日書こうと思います。

 

かなり面白く

個人的には超両作です。新作も見ようと思います。

監督もインタビューではなしていますが、

黒髪のりんが蘇ったのか、白髮のりんが蘇ったのか。見る人によってどちらとも取れるような描きかたが、とても良いですね。

ある人には贖罪の物語。ある人にはトラウマ克服の物語。色々な受け取り方ができるお話ですね。

、、、、

 

(追記)

黒髪のりんの二重人格説もあるかなぁとおもいます。

白髮のりんは事故で死んでしまって

 

虐待や友達の死から、自分のことをいつしか白髮のりんと思い込み、

黒髪のりんを、トラウマを封じ込めたことから心が歪み、自分のことが嫌いだから死の世界に入り込んでしまったとか?

 

色々と分岐しそうな感じで作られていますが、トゥルーエンドは個人的には、

 

白髮のりんが主人公で黒髪のりんと融合している状態のために植物状態から目覚められず黒髪のりんの心に囚われ続けている状態から、

ふたりで乳母車の母親をたおしたことで、

黒髪りんの心が救済され

白髮のりんは目覚めることができた。

でも、目覚めた世界も虫に支配された世界だった。というおちかしら。

と、思ったりしました。

 

公式の謎の検証ページで

ダンスを踊る謎の少女「奈澄葉」を小学生の設定から中学生になおした

ということだから、子供の頃の自分を、大きくなった自分が救う話なのかな。

 

うーんどちらサイドからも、見れる話だと思う。ほんと、すごく好きです。

こういう作り。

 

アラーニェの前日譚なアムリタの饗宴もぜひ見てみてください。

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小説では、乳母車の女の正体がわかったとツイートしてた人がいたので、後日読んでみたいと思います。